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伝説のディスクシステム |
1a legend of disksystem |
<製作・販売> 株式会社アイ・ツー <メディア> 片面ソフト <発売日> 1987年7月1日 |
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<定価> 7,800円 <付属品>豪華マニュアル・トンカチニュースVol.1 <ジャンル> バイナリエディター |
のディスクカード |
ファミリーコンピューター初の改造ツール アイ・ツーがコピーツール「子育てゴッコ」の次に開発したのが、ファミコン初の改造ツールである「トンカチエディター」でした。当時はパソコンとは違い、ファミコンやディスクシステムはとかくその仕様が公開されていない部分が多く、ファミコンソフトを改造するなどと考えもしなかった時代でした。そこに突如と現れたのがこのソフトでした。マニア達はかなりの衝撃を受けたものです。トンカチエディターの作者は、このトンカチがパイオニアとなり、後続品としてこの種のソフトが他社から次々と開発・販売されると予想していたようです。しかし、実際には他社からエディターが販売される事はなく、クイックハンターが、パラメータソフトで改造コードを配布する程度にとどまりました。発売後20年経過した現在においても、ファミコンディスクシステム上でのエディットを実現した唯一の商品として、歴史的にも大変意義深く素晴らしいソフトである事は間違い有りません。 (プロアクションロッキー(リプレイ)FC用という商品が15年以上後に販売されましたが・・・) 余談ですが宣伝文には、「ファミリーコンピューターソフトウェアコンテストエントリー作品」とありますが、これは一体何? |
プアーな開発環境での闘い バイナリエディタといっても、今のパソコンで使える高機能なソフトにはほど遠い、良く言えば軽くてシンプルなソフトでした。16進数若しくはアスキーコードで表示されたデータを単にパッチできるだけで、データの移動やコピーはできない。環境がないので、もちろんプリントアウトはできない。しかも、クイックディスクの性質上、違うドライブなどで書き換えると、以降のファイルが簡単に破壊され、それらをリカバリーするのは大変な労力を必要としました。実際、トンカチ操作に慣れた今でも、パソコンなら2、3分でおわる作業も、ファミコン上でトンカチを使うと、悪くすると1〜2時間かかってしまう事もあります。 大がかりなゲームの改造時には、私は2台のディスクシステム(ツインファミコン)で作業していました。ひとつは改造用で、ひとつはテストプレー用です。キャラやグラフィックの改造が絡む場合は更に、ジンゴロー用にシステムを追加してもいいかもしれません。2台以上で作業しないと、いちいちトンカチを立ち上げ直さなくてはならないので、大変な時間のロスになってしまうからです。今現在のパソコンのマルチタスク環境では考えられない事でしょうが、ファミコンソフトの改造の為には、当時の私にはこの方法しか無かったのです。 |
バイブルか?それとも馬の耳に念仏か? さらに付属品の「豪華マニュアル」がかなり凄い!A5版63ページというボリュームもさることながら、この内容はトンカチの操作マニュアルの域を遙かに超え、いきなり6502マシン語講座みたいに飛躍していました。内容は操作方法はもとより、教材ソフトのスーパーマリオブラザーズ1の改造法や、ゲームソフトの解析方法、ファミコンやディスクシステムの内部構造、6502マシン語の話、さらには×○〒●※¥□と訳のわからん難しい事が一杯書かれているのです。マニアにとっては、これだけでもかなりの貴重品であり、以降、飛躍的に発展したスーパーマリオ解析の原典となりました。しかし残念なのは、校正がしっかりしていなかった為か、かなりの誤った情報も掲載されている事です。その一方で、ゲームをプレイするだけの初心者にとっては、このマニュアルの内容は難解すぎて、あまり意味のないものになりました。広告文には「親切なマニュアルがついているから、誰にでも簡単に改造が出来るぞ!」とあるのにねぇ〜。(詳細後述) |
伝説・・・超難解?理不尽?名作?駄作? このマニュアルの内容がちんぷんかんぷんな購入者にも、損をさせないために、アイ・ツーオリジナル改造マリオである、「トンカチマリオ」が用意されていました。 トンカチエディター内には、「トンカチマリオ」の改造データが収載されていて、メニューを選択するだけで、原本のディスクシステム版スーパーマリオ1から、「トンカチマリオ」を誰でも簡単に生成できるようになっていました。その内容(詳細後述)はともかくとして、「トンカチマリオ」は任天堂以外による改造マリオの元祖であり、歴史的に大変意義深い作品となりました。 この「トンカチマリオ」は、プレイすればスーパープレイヤーに対する挑戦状という表面を持つ一方、他方で各ユーザーが作る改造マリオのベースソフトという側面も併せ持っていました(詳細後述)。当時のトンカチユーザーでスーパーマリオのオリジナル面を作っていた人のほとんどは、この「トンカチマリオ」をベースにしていたと思われます。私の作成した「スーパー真理ブラザーズ」も、この「トンカチマリオ」がベースとなっています。 なお、この「トンカチマリオ」は「マリオ3」、「裏マリオ3」などと呼んでいた時期もあったようです。 |
ユーザーの長期アフターフォローを目指して さらにアイ・ツー社はユーザーのアフターフォローの為、ゲームの改造レポートを各ユーザーから投稿してもらい、それらの記事を「トンカチニュース」という小冊子にして一部1,000円で販売していました。全部で確かVol.6まで発売(Vol.1は本体の付属品)されました(と思うぞ・・・内容は後述)。ディスクシステムのゲームだけではなく、Vol.5からは、創世機ファミーを使ったROMカセットゲームの改造記事も掲載されるようになりました。また他方、アイ・ツー社とは別に、三才ブックス刊「ファミコン改造マニュアルVOL.3」などにも、トンカチエディターによるゲーム改造レポートが掲載されていました。 |
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