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伝説のディスクシステム |
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理不尽で不親切!テストプレーが不充分だったのか?それともこれが面白いとでも・・・?
単にスーパーマリオ1で遊んでいただけの初心者にとっては、トンカチエディターを使いこなしてゲームを解析・改造するのはあまりに敷居が高いですが、取りあえずこの「トンカチマリオ」で遊ぶことができるので、とても親切といえます。が・・・その内容は超難解且つ、理不尽で不親切(すぐハングしたり、面の途中で死ぬと復帰不能になったり、正に素人が作ったような面データ)でした。例を挙げると、1−3では面の後半で死ぬ、ポールを超える、前に進むリフトでゴールする。いずれの場合も嵌ってしまい、リセットを押して、最初から始めるしかありません。その他にも、ジャンプ台に挟まって動けなくなる、各面のゴールポールの前に連続出現キャラのキャンセルコマンドを使っていないので(スーパーマリオブラザーズオリジナルマップ作成講座参照)、キャラクターオーバー状態でポールを出現させると、やはりゴールした時にフリーズしてしまいます。後述する付録のヒントを読んでも解りますが、作者はプレーヤーにリセットを押させることを恐れていないようです。 |
裏技マリオのオンパレード
この「トンカチマリオ」は、様々な壁抜けを中心とした裏技を使わないとクリアできない作品でした。 現在の改造マリオでは当たり前になっている、ツタ・丸キャラによる壁抜け、透明ブロックによる壁抜け、パワーアップキャラによる壁抜け、ジャンプ台を使った壁抜け等はこの作品で初めて提示されたものです。また、原作で使われていない「生きているキノコ」や「マルキャラ」も登場します。このマップ構成は、スーパープレイヤーに対する挑戦であると同時に、「スーパーマリオの裏技は、原作のマップ構成で実現できる範囲にとどまらず、無限の可能性を秘めている」という暗示を与えるものでした。その後も改造マリオ界では様々な裏技が発見されましたが、この「トンカチマリオ」の影響は否定できないでしょう。私もこの作品の影響を受け、オリジナル面を作る過程で様々な面白い裏技を発見しました。そして、その裏技を誰でも簡単に再現できるようなマップを作るのが、「スーパー真理ブラザーズ」のひとつのテーマになっています。この作品が無ければ、これほどの裏技を発見し、「スーパー真理ブラザーズ」に活かす事はできなかったかもしれません。 |
各ユーザーが作る改造マリオのベースソフトとして
この「トンカチマリオ」は、各ユーザーが作る改造マリオのベースソフトという側面も併せ持っていました。原本のスーパーマリオ1は、各ルームのマップ・敵データの開始位置の指定方法が複雑で(マップ・敵データそれぞれの水中・地上・地下・地獄面でのコマンドアドレスヘッダが全て異なる)、各ルームのマップ・敵データの長さを変えたり、ルームの数を増やすためには、大変な労力を要します(トンカチの作者は、これをプロテクトのつもりで作ったのではないかとしています)。一方、「トンカチマリオ」はこの指定方法を簡略化し(コマンドアドレスヘッダは全て0であり、データの位置も認識しやすい)、さらに最大64ルーム作成できるように改造されていました。その為、原本をベースにするより、この「トンカチマリオ」をベースに面データを入れ替えた方が、はるかに楽で且つ自由度の高いマップが作成できました(と言ってもトンカチで作る以上、大変な労力を要しますが・・・)。当時のトンカチユーザーでスーパーマリオのオリジナル面を作っていた人のほとんどは、この「トンカチマリオ」をベースにしていたと思われます。私の作成した「スーパー真理ブラザーズ」もこのトンカチマリオがベースとなっています。 |
「トンカチマリオ」の歴史的評価と伝説
この「トンカチマリオ」の評価は人により様々であると思います。しかし、いずれにせよマニア達にとっては、衝撃の問題作であった事は間違いありません。同時に世界初の改造スーパーマリオとして、その後の改造マリオ文化に多大な影響を与え続けました。これからもこの「トンカチマリオ」は、その「怪しさ」も手伝って伝説として語り継がれていくでしょう・・・ |
(注)・・・誤字と思える部分も忠実にそのまま転載しています。 |
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